【原作レビュー】「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」リアルな男性不妊の本

こんにちは!大阪で顕微授精にチャレンジしている あや子です。

不妊治療に挑んだ夫婦を描いた実話、
映画「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」
が、今秋2019年10月に公開されると発表されました!

夫役は松重豊さん(56)、妻のサチは私が大好きな北川景子さん(32)が演じられるそうです。

あや子
Twitterで、こちらのツイートをご覧になった方も多いのではないでしょうか?

 

今回、映画化が決定した
「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」
原作エッセイ本を購入して読んでみました!

私も同じ不妊治療をしている1人として、
・本を読んだ感想
・映画の内容予想
をレビューしたいと思います。

あや子
ネタバレになりすぎないよう、
気を付けますね!

 

本を読み終えた結論としては、
「映画の前に読んでおけば、映画を更に味わえること間違いナシ!」
です。

あや子
映画の設定も、実際と少し違うようですし、本の方がより「等身大の」ヒキタさんご夫婦を感じることができると思います。

原作本の感想をTwitterでチェック

 

本のあらすじ

タイミング法〜顕微授精までの軌跡

ヒキタさんご夫婦は、2006年から、
夫のヒキタさん45歳・妻のサチさん35歳で、
妊活をスタートされています。

あや子
男性小説家である「ヒキタさん」が、
ご自身の不妊治療の体験を元に書いた、
「男性目線」の妊活エッセイ本
です。

2006年の1月に開始したタイミング法から顕微授精、そして2010年11月の空ちゃん誕生まで、

ヒキタさんご夫婦の
「苦悩」「挑戦」そして「感動」
が沢山詰まった一冊になっています。

不妊治療をユーモラスに表現

あや子
不妊治療の本で悲しい場面もありますが、
全体的に重苦しい本ではありません。

妻サチ役の北川景子さんも、
脚本を見た時の感想を聞かれ、

不妊治療をテーマにしながらもコメディタッチで描かれていて面白かったです。
弱音を吐かず、懸命に夫を支えるサチさんの姿は同じ女性としても感銘を受けました。
ヒキタさんとサチさんが歩んできた道のりをいかにリアルに、ユーモアたっぷりに表現できるかが鍵になると思いました。

とコメントしています。

TVドラマ「家を売るオンナ」で高視聴率を叩き出した北川景子さん。
今回の映画も、期待大ですね!

あや子
本の中で、ヒキタさんがご自身をユーモラスに皮肉った「駄目金玉」という言葉が何回も出てきます。
私の中で「駄目金玉」という言葉がゲシュタルト崩壊を起こしました…。笑

その他にも、とても映画では(コンプライアンス的に)描けないような
「ヒキタさんの心の奥底の想いや叫び」が、
本では沢山書かれています。

著者の「ヒキタさん」って誰?

プロフィール

アデイ オンラインより

ヒキタ クニオ
1961年福岡県生まれ。男性小説家。

旦那くん
代表作は、
・凶気の桜(2000年)
・鳶がクルリと(2002年)
などで、どちらも映画化しています。

自身のエッセイ「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」を世に送り出して以来、

・妊活雑誌「赤ちゃんが欲しい」で特集
・不妊治療を支援する「NPO法人Fine」でのトークセッション
・東尾理子さんと不妊治療について対談

など、妊活関係の仕事も行っています。

2019年10月に、自身のエッセイを元にした、
映画「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」が、公開予定です。

あや子
真っ白なお髭が印象的ですよね!
エッセイの中でも、
「髭は30代後半から白くなり、40代で真っ白になった」と書かれていました。

本を読んで感じた「ヒキタさん」の印象

私が本を読んで感じたヒキタさんの印象は、
「頑固で変わり者な、面白いオジさん」
といったところでしょうか。(失礼)

すごい小説をバンバン出しているからといって
決して聖人君子などではなく、
「どこにでもいる1人の男性」という感じです。

あや子
ただ、自分の気持ちを読者に伝えるのがすごく上手くて、
・妻を労わる気持ち
・男の不妊治療に関する様々な疑問や違和感
・女性の心や身体の痛み
など、人間味溢れる文章で伝えてくれます。

お飾りのような言葉ではなく、
「全部本音」で伝えてくれます。

お笑い芸人でいうと、
吉本新喜劇の座長、小籔 千豊さんに似た印象を文章から受けました。

本の目次はこんな感じ

あや子
「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」
気になる目次は、こんな感じです。

序章 本当に子どもが欲しいのかねえ?

第1章 まずはカレンダーに○印を付けるのである

第2章 不妊治療と呼ぶな受精行動と呼べ

第3章 身体合わせ、心合わせ

第4章 いろんなことを乗り越えて、我々は再出発する

第5章 顕微授精、料金は四五万円なり

第6章 ドキドキしながら胎児を育てる日々が続く

第7章 いよいよ最終局面へ

このエッセイ本の魅力・感想

男性から見た不妊治療を知れる

あや子
やはり「男性目線」と言う点が、他の不妊治療エッセイ本とは大きく異なるところです。

「分刻みのスケジュールで再生する男がこの世に何人いるのだろうか、と考えると笑えてくる。」

「また、駄目だったの!思わず言ってしまったが、この言い方もよくないように感じる。次からは、残念!というようにしよう。」

「女は妊娠して母になり、男は出産して父になる。
というらしい。お腹の中の赤ちゃん、なんて言われても、男には実感はない。」

「わからないでもないが、病院というのは、
「精子の運動率」「一発必中の勇者(のような精子)」「駄目金玉から復活」
などなど、私が試みていることに対して、まったく興味がないのだろう。」

「安静にしてな、と妻を寝かすが、心の中では「ひええええ!」と私は叫び声を上げていた。」

これらは全て、小説の中に出てきた表現です。

うちの夫は口下手なのですが、
「ああ、男の人ってこんな事を考えているのね」
と思うことも多かったです。

あや子
「私ばっかり辛くて旦那くんは気楽そうと思っていたけど、案外大変なんだ」
とも感じました。

約10年前の不妊治療はどんなものだったのか、知ることができる

このエッセイは、

2006年の1月に開始したタイミング法から顕微授精、そして2010年11月の空ちゃん誕生までの軌跡が描かれています。

そう、10年も前の話なのです。
(それが映画化って、すごい!)

あや子
10年と言われると「そんなに昔の事かな?」
と思われるかもしれません。

しかし、初代iPhoneがアメリカで発売されたのが2007年6月です。

つまりこの話は、
日本人がまだみんなガラケーを使っていた頃の話ということになります。

旦那くん
そ、そう言われると、すごく昔の事のような気がするな…。

私がエッセイ本を読んで感じた「妙な違和感」は、これが原因でした。

10年前、不妊治療の情報は、もっと不足していました。ヒキタさん夫婦も、かなり手探りで治療を進めることになります。

あや子
社会の理解は今よりもっと少なく、
技術や知識も今よりずっと未発達です。
この10年の進歩を感じながら、
「今も昔も、子供が欲しいと頑張っている人達が、こんなにいるんだ」
と励まされました。

個性あふれる登場人物たち

主人公 ヒキタクニオ(松重豊)

THE 小説家らしい、職人気質な性格です。

お笑い芸人、千鳥のノブ風に言うと、
「クセが強い」人物でもあります。

映画の中では、万人受けするようにと言うか、
もう少し抑え目な人物として表現されるんじゃないかと思います。

「リアルなヒキタさん」に触れられるのはエッセイ本だけです。
是非読んで頂ければと思います。

あや子
エッセイ本の中で、

人工授精の際、
「処置するのはイイ男がいい」
「女医さんや油ぎっった髪のデブのキモメンだったら何か嫌だ」
という事を書いていたり、

「できちゃた婚自体、相当な理由がない限り、もう社会性はゼロに等しいと思う」
という事を書いたり、

授かり婚でお腹の大きい姪っ子の結婚式の2次会に出た際は、
スピーチで避妊の大切さを説いたりする一面もあります。

でも私は、ヒキタさんのその聖人君子でないというか、人間らしいところが好きになりました。

ヒキタさんの妻・サチ(北川景子)

小説の中でヒキタさんは、妻サチさんを
「人見知りで無口で、それでもって芯が強い、ということは頑固な奴」
と表現しています。

あや子
ヒキタさんはとても妻を愛しています。
エッセイ本では、不妊治療の色々な局面で、妻に対する気持ちが丁寧に描かれています。

所々、妻サチさんの日記の引用も出てきます。

不妊治療中、妻サチさんは、ヒキタさんの様々な選択に沿って(よく言えばヒキタさんの想いを尊重して)、治療をしている印象を受けました。

(10歳も年の差があるからかかな…?)

文字通り、「健やかなる時も病める時も」二人は寄り添い合います。

サチの父・和夫(伊東四朗)

あや子
内科医で、サチ達夫婦が体外受精を始めると決めた時、資金を援助してくれます。

途中胎児に異常があるかもしれないと聞いた時は、医学的なアドバイスもしてくれます。

ヒキタ夫妻の主治医・桑島(山中崇)

小説の中では、
「K病院のS医師」と表現されています。

エッセイ本では、ヒキタさんは心の中で、このS先生とかなりのバトルを繰り広げています。

ここは、映画では絶対に表現しきれない部分だと思います。

あや子
治療を受けている人にしか分からない医師への不満、
けど治療を潤滑に行うために言えない不満、
たくさんありますよね。

ヒキタさんも、S医師の発言に対し、

「おいおい、勝手なこと言うなよ。」
と低い声で唸ったり、

(おい!効果がないって、いまさら、何言ってんだよ!何年もやってきたんだ、それをあんたが言ったら駄目だろう。ちょっとじっくり話そうか?)
と言う言葉を、必死に飲み込んだりしています。

旦那くん
俺も家で先生のことボロクソ言う時もあるもんな。
気持ち分かる…。

ヒキタさんはS医師のことを、
「優秀で信頼はしているが、会話が不得意」
と表現しています。

ヒキタの担当編集者・杉浦

こちらはエッセイ本にはこれと言った人物は出てきておらず、映画オリジナルのキャラクターだと思われます。

ダウン症の子供を持つ、ヒキタの元 担当編集のTさんについては少し記載があるのですが、
彼をモチーフにしているのか…?

あや子
他の担当の編集者にも数人、不妊治療をしていた人がいたそうです。

映画には出ないかもしれない登場人物達

ヒキタさんは治療中から不妊治療を公言しており、似たような境遇の人が沢山集まります。

◆ヒキタ夫婦と近しい医療関係者のH氏
(ヒキタ夫妻を思ってのお節介を焼いてきます)

◆旦那が不妊治療に非協力的で悩むYさん
(あるあるです)

◆不妊治療の末、2人での生活を選んだC夫婦

◆ヒキタの話を聞いて2人目を頑張ったE君
(こちらも感動!)

◆同じ病院で体外受精をした高校時代の同級生S

◆授かり婚で、ヒキタと同じ学年の子供を産むことになった2人の姪っ子
(ヒキタ夫婦に遠慮し、ギリギリまで内緒にしていたそうです)

あや子
どれも色々なストーリーがあり、映画では描ききれなさそうです。

映画化はどんな内容になるのか

今回2019年10月に公開が決まった映画、
「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」

原作は、実は2012年6月15日に発売されています。

あや子
なんと、7年も前に発売された本なんです!

それが昨今の妊活ブームというか、
世間の流れに後押しされ、映画化となった訳です。

映画も勿論見に行きますが、エッセイ本を読んで見て、
「本と映画は、異なる印象になるのでは」と思いました。

2人の設定が変更されている

日刊スポーツ紙を見る限り、
「2まわり近く年下の妻と
男性不妊の高齢な夫」

という設定が、映画のウリのようです。

しかし実際は、
ヒキタさんと妻サチさんは10歳差です。

年齢は、1まわりも離れていません。
(1まわり=12歳差)

あや子
何故、更に年齢差を広げるような設定に変えてしまったのか、不思議でなりません。

お互い20代でも、
男性不妊の方や
顕微授精をされている方は、
大勢います。

「男性不妊は年取ってる人がやるもの」という誤解だけは、生まれないでほしいと思います。

本と映画は全く性質が異なる

本と映画は、全く性質が異なります。

本というのは、映画よりも自由です。

どんな事を書いてもいいというか、
著者がもう、本当にそれこそ「好き勝手」に書いていいのです。

あや子
ただの例ですが、例えば本では、
残酷な描写や性描写があろうと、基本的に閲覧の年齢制限は設けられていません。

しかし映画では、
・残酷な描写があればR15指定
・性描写があればR18指定
があります。

「医療」「不妊治療」そして「映画」というコンテンツ上、
本の中だけでしか描かれない事実や想いが沢山あると思います。

あや子
作者の性格や想いが強く出ますし、
まさにエッセイ本の醍醐味ですね!

その他の妊活エッセイ

その他の妊活エッセイを集めてみたので、
最後にご紹介したいと思います。

あや子
やはりほとんどが女性が著者で、
「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」のような
男性目線の妊活エッセイというのは珍しいようです。

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また最近では、不妊治療を公にする芸能人も増えてきています。

夫婦で歩んだ不妊治療

 

まとめ

今回映画化が決まった、
「ヒキタさん!ご懐妊ですよ」

あや子
原作のエッセイ本は、

この10年の不妊治療の進歩を感じながら、
「今も昔も、子供が欲しいと頑張っている人達が、こんなにいるんだ」
と励まされるような一冊です。

※映画化に伴い、
今の時代に合った内容に、少しアレンジされる可能性があります。
(2人の年齢差の設定も変わっています)

 

 

ヒキタさん達ご夫婦のリアルな奮闘を感じたい場合は、是非、原作のエッセイ本も読まれることをオススメします!

あや子
「読んでおけば、映画を更に味わえること間違いナシ!」です!